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ReTERA07-14 守護騎士と逃亡劇と暴走

戦闘なんだし、なるべく切らない方がテンポがいいのは分かる。
つまり、塩梅というのは難しいなと。




 マルクトは両脇を締めた格好で銃剣を突きだしたまま突撃してくる。銃剣を避けようにも向こうの動きは正確だ。避けられないと悟って、右脚を引かせて左腕を前に向ける。
「動かないのなら……盾にする!」
 銃剣がフィーリアスの左肩に食い込む。初めから満足に動かないなら盾代わりにするしかないだろう。
「ロッシュアルムの雑兵め。貴様らなぞ結界の外では練習台に過ぎんわ!」
「動きがいいからと言って!」
 空いた右腕でロングソードを振るうが、同時にマルクトもライフルを突き込んでくる。銃剣を手放しながらも、反動も利用しながら後ろに下がる。剣先はかするようにしか当たらない。
 体勢を立て直しながら見る。後続の内の二機は俺に向かってきているが、残りの三機は白いのを追おうとしているので遠い。
 送り出してる以上、足止めをしてやりたいが――。
「行かせるものかよ!」
 野太い男の声が割り込んでくる。その動きに合わせてマルクトが剣を抜いて駆け寄ってくる。
 切り下ろしに対して、こちらも刃を合わせることで、競り合いながら強引に体の外へ逸らす。明らかに互いの剣からは不自然で耳障りな音がするし、力負けもしているが構ってなどいられない。
 体を前に入れながら、足下に来た剣を半ばから踏み抜いて折る。生身なら絶対にやりたくない真似だ。
「ええい、小賢しい真似を!」
 マルクトが力任せに押し返してくる。そして、その間に二機のマルクトも銃剣を向けて両側から迫ってきていた。同士討ちを警戒してだろうか、射撃はない。
 両側からの攻撃を避けるのは無理だ。ならば。
 飛び込まれるタイミングに合わせて、左脚を軸にして後ろへ機体を回す。交差する銃剣がそれぞれ左の肩と胸部を切り裂いていく。だが、こっちも右から襲ってきた機体の背中を取る。
「おおお!」
 全力でロングソードを突き立てた。背中からマルクトの胸部が串刺しになる。そのまま抉るように剣を引き抜く。背部ならさほど厚くもないか。コアかパイロットか、あるいは両方をやれたのかマルクトは動かない。
 これで残り二機。まだ、やれる。
 腕の立つ方が素早く斬りかかってきた。
 だが、やれる。動きそのものは決して対処できないほどじゃない。剣を横から打ち払って攻撃の出鼻をくじく。そのまま斬り結ぶようにぶつかり合う。相手に合わせる必要なんかない。自分の動きに乗せてやればいい。
 ――そんな考えを壊すように、背筋に強烈な悪寒が走った。悪寒はすぐに威圧感に変わる。
 この二機じゃない。姿を見る前に直感してしまう。あの白いのが原因だと。危険を承知で白いやつの姿を探そうと振り返った。
 すぐに見つかったのは倒れて動きそうにないマルクトらの姿だ。だが、肝心の白いやつが見当たらない。
 その瞬間、頭上を黒い影が過ぎる。そして見た。

web拍手 by FC2 [ 2013/03/04 00:00 ] ReTERA | TB(-) | CM(-)