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ReTERA07-15 守護騎士と逃亡劇と暴走

元ネタとパクリの分かれ目はどこにあるのだろう。
感覚的には分かるけど、言葉にすると遠ざかる……というわけで分かる人には簡単に分かるルフトバイン。
今回は白か黒とばかり言われてますが。

元ネタで通せるかは自分次第、なのかも。


 ごく短い間の出来事だ。
 離れていたマルクトの頭部がいきなり吹き飛ばされる。上からの攻撃で、矢のような二筋の光がマルクトを射貫いていた。
 そのさらに後方、黒い機体が獣のように四つん這いになって着地する。巨体なのにその着地は重力を感じさせない滑らかさだった。黒い機体はすぐに体を起こす。
 黒曜石のような冷たく硬質な黒色に変わって、眼部は血のように赤いが、あの白い機体に間違いない。
 今や黒いやつは右腕にクロスボウが装着されていた。それをすでに頭部の破壊されたマルクトへと向ける。
「スルー隊ちょ――」
 マルクトのパイロットが何か言い終えるよりも早く、二本の光の矢がマルクトの胸部を射貫く。頭部と胸部にそれぞれ二発ずつの矢を受けたマルクトは膝から崩れ落ちる。
「なん――」
 男が最後まで言い終える前に組み合っていたマルクトも頭を射貫かれ、後ろへ殴られたように弾き飛ばされる。
「白いやつか? しかし、これは……」
 呟きながらも頭の中では危機感が募り続けている。ひどく息苦しい。
 状況を見るならば、助けられた。それなのに服の上からでも鳥肌が立っているのが分かる。
 今や黒いやつは右腕を伸ばしたまま、肩で大きく息をつくように胸を上下させていた。ただそれだけなのに、漂う気配は危険だと思えた。
 俺は一目見て悟ってしまっている。自分の勘、経験、知識。そういう自分の全てが認めてしまう。
 ――こいつには勝てない、と。
 解っている。諦めた人間は土壇場では生き残れない。それでもなお認めてしまった。もし、このまま襲いかかられたら、確実に食われる。
「許さない」
 少女の声――初めに聞いた助けを求めてきた少女の声だ。それなのに雰囲気がすっかり猛々しく変わっている。その声が俺に、そもそも誰に向いてるのかは分からない。
 ただ、この少女こそが少年の言っていたレヴァという存在だろう。だとすれば話ぐらいはできるのか?
 ……冗談だろ。今の声を聞いて、本気でそう思えるのか?
「ガイナベルクがいる……許さない……許してあげるもんか……弄んだお前たちなんか! 絶対! 絶対! 絶対にぃ! あああああっ!」
 黒いやつが天を仰いで体を震わせる。少女の叫びが突き抜けていく。怒りの雄叫び。しかし同時に慟哭のようでもあった。
 急に思い浮かんでしまった。
 こいつは……フィーリアスは聞かせたいのかもしれない。人が戦う息遣いを。
 ――あるいは。
「あいつが苦しんでいるからか?」
 おかしな思いつきのはずなのに、何故かそれを否定しきれない自分がいた。
「さっきの人、動けるなら逃げてください。今のレヴァは……周りが見えていない」
 少年の声が割り込んでくる。向こうの状況が分からないが、二人乗りなのか。それをのんびり確認してる暇はないが、とりあえずは無事なのか。
「逃がしてくれるなら、それも手だとは思うが」
 逃げようにも逃げ切れる気がしない。むしろ背中を見せた瞬間、襲いかかってきそうな雰囲気もある。
「フォースメイル……お前たちさえいなければ……」
「もうやめろ! レヴァ!」
「ここからいなくなれ!」
 黒いやつが右腕を向ける。間違いなく俺を狙っている。それも操縦席の辺りを正確に狙って。機体を動かしても、狙いを修正してきているのが分かる。
 まったく。当たるのが分かってしまうのに防ぎようがない。右腕で守ろうにも、それさえ意味を為さないだろう。避けるにはあまりにこちらが遅すぎる。打つ手がなかった。



web拍手 by FC2 [ 2013/03/07 00:00 ] ReTERA | TB(-) | CM(-)