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ReTERA07-16 守護騎士と逃亡劇と暴走

そういえば、そろそろ一話単位でまとめないとなあ。
……実行はいつになるんだか。




 終わるんだと、そう思った。
 しかし、光の矢は放たれなかった。
 それよりも先に黒いやつが攻撃を受けたからだ。赤熱した球体がいきなり横腹に叩き込まれると、周囲が爆発したのかと思うほどの衝撃波が荒れ狂った。黒い機体は横へ吹き飛ぶと受け身も取れずに転がっていった。
 攻撃の来た方向を注視するとクリスティーエの姿が遠くに見えた。すぐにセファーナの声が届く。
「少々乱暴ですが……撃ってよかったのですよね? 状況が飲み込めていないので、もしかしたらエリヤが慈悲深く撃たれようとしていたのかもしれないとも。さすがにそうする理由はありませんよね」
「生憎、そんな趣味も負い目もない。でも恩に着る。とりあえず説明をしなきゃいけないんだろうが……」
「ええ、分かっています。ですが、少し待ってもらいたい。どうやら、これからのようですから」
 黒いやつはのろのろとした動きだが立ち上がろうとしていた。無傷ではないようだが、あれだけの攻撃を受けても、十分に動けるようだ。
「まだ動きますか……あまり加減はしなかったのですが」
「詳しくは聞けてないが、あれがガイナベルクの追ってた機体で間違いない。男女二人乗りで、最初は白かったが黒くなってからはあの調子だ」
 あれに乗ってる二人が若いのも言おうかと考えたが、それを伝えるのは躊躇われた。たぶん、セファーナもあの二人とそう変わらない年頃だと思ったから。そういうのは余計な情報だ。
「本当は推測を交えない方がいいんだが……たぶん今は暴走に近いはずだ」
「暴走ですか……にわかには信じにくいですが、本当にそうなら世話の焼ける話ですね。とはいえ彼らが何者なのかは私も興味があります。どう手を打ったものか」
 セファーナはそう言いながら、クリスティーエも前進を始めていた。
「フィーリアスは損傷が激しい。後の相手は私が致しましょう。幸い、向こうもクリスティーエに狙いを絞ったようだ。機体を消耗させれば、動きも止まる可能性が高い。最悪、破壊する必要もありますが――」
 セファーナの意識はすでに俺にではなく黒いやつに集中しているようだった。
「言って分からないなら殴ってから聞かせろ。師の受け売りでも、たまにはそれもいいのでしょう。しかし……エリヤ、彼らはその……止まってくれるでしょうか?」
 ずいぶん変わったことを訊くんだな。だが、セファーナの気持ちは俺なりに察した。それが言うほど簡単なやり方じゃないのも。
「危険を承知で言う。できれば止めてやってくれ。俺にはできないが、君とクリスティーエならあるいは」
「……そう言われては仕方ありませんね。確約はできませんが、できる限りはやってみましょう」
 そう答えるセファーナの声は、満更でもなさそうな響きだった。
 後押しが欲しかったのだろうか。聞けず、ただそう思った。


web拍手 by FC2 [ 2013/03/10 00:00 ] ReTERA | TB(-) | CM(-)